- 1981年フランス映画
- 監督:エリック・ロメール
- 撮影:Bernard Lutic
- 主演:ベアトリス・ロマン/アンドレ・デユ・ソリエ/アリエル・ドンバール
1981年の作品。「喜劇と格言劇シリーズ」第2話。
エリック・ロメールの作品を観るとき、赤を探すのが習慣になってしまいました。本当にこの人は赤が好きなんだから。
冒頭から赤です。列車のシートは本当は赤でないけれど光線の加減で赤系統の色に見えるし、カーテンは臙脂色だし、主人公のサビーヌはピンクのシャツを着ているといったぐあいです。
あと思いつくままに挙げてみます。
- サビーヌのパリの部屋。ベッドの脇の壁には赤を使った絵のポスターが貼られている。
- 石畳の道の正面には赤の車。その正面に行き当たって角を曲がっても正面には赤の車。
- ドアを開け車に乗るサビーヌ。横に停っている車には下の方に赤のラインが引かれている。
- パリから田舎の実家に車で戻るサビーヌ。田舎の家の窓からは赤い光が見える。
- 恋人候補を車に乗せて田舎道をドライブするサビーヌ。車のフロント・ウィンドウ越しにすれ違う赤のトラックが見える。
- 椅子の上の猫。椅子には赤の織物が掛かっている。
こんどロメールの新作が公開されたら、赤を使った素敵なジャケットを見つけて、着て観にいこうかな。
やっぱり光と音が印象に残ります。この作品はパリと地方都市ル・マンを舞台にしています。ル・マンの光と風もとっても素敵だったけれど、僕はパリの光と音に魅せられました。そして印象に残ったのはパリとル・マンを行き来するサビーヌが列車の通路の窓から光を受けながら景色を眺めるときのきらきらした目の輝きと、年上のパリの弁護士に初めて会ったときのきらきらした目の輝きでした。
1996/03/12