- 1959年アメリカ映画
- 監督:アルフレッド・ヒッチコック
- 撮影:Robert Burks
- 主演:ケイリー・グラント/エヴァ・マリー・セイント/ジェームス・メイスン
1959年のこのヒットコック映画に関してあるところに世界でもっとも愛されもっとも模倣された映画と書いてありました。この映画はスパイコメディー映画の原型と言えるでしょう。007シリーズもこの映画に多くのものを負っているようです。
脚本は名脚本家アーネスト・レーマン。「麗しのサブリナ」「王様と私」「ウェストサイドストーリー」・・・とこの人の書いたものを挙げるだけで、この人の凄さが分かるでしょう。この映画ではオスカーを獲得しています。
原題はシェークスピアの「ハムレット」から取られたようです。「俺は狂っている。しかし北北西には・・・(俺が正常だということを)」。主人公がNorthwest社の飛行機に乗るのは洒落でしょう。
敵のボスを演じるジェームス・メイスンは「シャレード」にも出演しています。ケイリー・グラントの母親役を演じるジェシィ・ロイス・ランディス(Jessie Royce Landis)は実際にはグラントよりも10ヶ月年上なだけです。
主人公は2度結婚して2度離婚していますが、スリル満点の逃亡中にヒロインからどうして離婚したのと聞かれて、2人とも僕といると退屈だったからさと答えるのには笑ってしまいました。こうした機知がこの映画の中心の1つです。もちろん襲ってくる複葉機に代表されるアクションシーンも魅力的です。今度「アンダーグラウンド」が公開されるエミール・クストリッツァの「アリゾナ・ドリーム」ではオーディションで複葉機に襲われ逃げ回るケイリー・グラントの物真似をする人が登場して笑わせてくれました。
この映画の原題は直訳すると「リンカーンの鼻の上の男」になったかもしれないとのことです。どうしてそうなのかはスリル満点のラストシーンを観て下さい。
1996/04/19