- 1955年新芸術プロダクション
- 監督:五所平之助 原作:樋口一葉
- 撮影:小原譲治 音楽:芥川也寸志
- 主演:美空ひばり/山田五十鈴/岸恵子
山田五十鈴特集をやっている、東京国立フィルムセンターに、きょうは樋口一葉原作の「たけくらべ」を見にいきました。
美空ひばリが美登利役、岸恵子が姉の花形花魁役、山田五十鈴は落ちぶれた元花魁役です。
若き日のというか、少年の市川染五郎を見れるのも、嬉しいことです。
季節は、明るく気持のいい陽光に満ち満ちた夏から、ものがなしさを感じさせる秋に移り変わります。
その季節の移り変わりに合わせるように、活発で明るい少女が、花魁という運命を受け入れなければ生きていけないことを知る「大人」になるまでを描いています。
最後に、汚濁した堀の水面に捨てられる、清々しい白い花。
それが、美登利が「大人」になる意味を見事に象徴していました。
美登利の姉が、客に呼ばれて、病身なのに鏡台に向かい、水紅を唇に塗るシーンが、印象に残りました。
1995/09/19